とある投資好きの医師のブラックな一日




コードブルーを見ました。


イケメンと美女ばかりで、こんな職場があったら是非就職したいなーと思いつつ見ていました。現実世界でテレビを一緒に見たのは、病院の休憩室で私、中年医師とおばちゃん看護師との組み合わせです。一緒に見ていたおばちゃんからは、先生もイケメンだったらねーと、どうやら同じことを考えていたようです


医師の一日ってあまり一般の人の目に触れることもないので、よく誤解されて、なんだか「羽振りが良いんでしょう」や「モテるんでしょう」と言われますが、そんなに良いものではないですよ。


私の一日を振り返ってみます。


朝、目が覚めると病院です。私は週に3回ほどが当直です。当直というのは24時間勤務のことです。病院というところは患者さんの急変に備えて24時間体制で医師を常駐させておかなければいけない決まりになっています。交代要員がいない中小病院では、勤務医にその負担がダイレクトにのしかかりますので来る日も来る日も当直ということになります。ちなみに年100回ほどが当直です


嬉しいことに医長や部長などの役職がつくと、逃げ場がなくなるので当直もおまけでついてきます。給料はあまり変わらないので、名ばかり管理職の悲哀も同時に味わうことができます


午前中、時には殆ど眠っていない状態で外来です。3分間外来と良く言われますが、逆に3分でどんな重症患者も病状を見抜いて対応しなければならないのです。


一度でも重病を見逃すと、下手をすれば訴訟ですから、3分間の診療でも私は神経を最大限集中させて臨みます。歩く姿や立ち居振る舞いからして異常がないか、実は注意してみているのです。時には外来に50人ほど患者さんがこられて、ようやく午前中が終わります。


昼食は病院食です。患者さんと同じ食事です。そういえば当直が3日続いているので、最近外で食事をしていないような気がします。病院は衣食住そろっているので、家に帰らない(帰れない)でも生活は一応成立します。禅寺にこもった修行僧の気分が味わえます



午後は検査や病棟の入院患者さんへの対応です。気力を振り絞って内視鏡を行います。大腸カメラが終了した患者さんは「ふらふらですよ」といっていましたが、こちらもふらふらですよー。


そうこうしている間に救急車が来ます。救急車で来るだけあって、お待たせ出来ない方が多いです。今日の方は85歳の女性、昨日から重症肺炎を生じて転院搬送となってきました。半日遅れれば致死的になりますので、酸素を投与しつつ抗生剤を急ぎ投与します。


しかし、30分待っても血中の酸素濃度は改善しません。酸素濃度を上げつつ、ステロイド剤を追加投与します。


良かった、何とか呼吸状態が改善し始めました。ほっと一息つくと同時に、病棟から電話です。「待っている患者さんの家族がいつまで待たせるんだ!と激怒しています」。看護師からの残念な電話でした。


なだめたりすかしたりしながら、病棟で説明を済ませます。気づけばあれ?21時です。さて、今日もこのまま当直。夜寝られるのかしら。。。


さて、このように仕事のファンダメンタルズ(?)を考えると医師はお勧めしません。黒々とブラックそのものの仕事ですね。給与は少なくはないですが勤務時間を考えると割にあうのかどうかは個々人の考え次第とも思えます。


女性にモテる、というのはそれも個々人によります。他の職種同様です。私の場合はモテたことはないですね。パワフルな医師では多忙な中、看護師さんと楽しくやっている方もおられますが、ここには才能(?)も重要です。私に才能はないようです


医師の誤解はとけましたでしょうか。でも慣れると案外良いような気もしますが、まあ就業条件として万人受けはしないような気はします。


ドラマでない、日本の医師は地味で大変なのです。


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