バリュー投資のストレス 株価下落時の恐怖への対応




バリュー投資は本質的な価値よりも価格が安くなるときに株式を買い、株価の標準回帰を待って利益を得ます。


しかし、株式購入を開始した後に、更に株価の20-30%ほどの下落に見舞われることもしばしばあります。この際、保有株の落ち続ける株価を見て言いようのない恐怖を味わった方も居られるのではないでしょうか。


どこまでも墜落していくような、底のない恐怖はいったん味わってみないと表現しようがないものだと思います。


今回は、このストレスを和らげる方法を考察していきたいと思います。



一つ目です。リスク低減のためには、株式のボラティリティを避けるためリスク資産の分散化が一般に推奨されています。私も過剰な分散で無ければ、この考えに賛成します。


十分に安全域が保たれた、5-15銘柄程度でポートフォリオを組むことでボラティリティの低下が期待できます。仮に10個の銘柄に分散していた場合、一つの銘柄で50%の価格下落があったとしても、全体では5%の損失で済むことになります。


しかし銘柄数が20-30とあまり多く増やした場合には、ボラティリティは低下するでしょうが、恐らくそのリターンは銘柄数を増やすほど市場平均に次第と近似することになると思います。


従って、個人として把握できる以上の数の銘柄を持つ場合は控えるようにしています。或いはあまりに多い銘柄数を保有する場合は寧ろ市場平均に連動したETFが良いと思います。


二つ目には、リスク資産と無リスク資産の分散化も、一般的に推奨されています。私も、その時の金利と市場の過熱感によっては、この考えに賛成します。


ここは、「適切なキャッシュ・債券の保有率に関して」のシリーズで、以前私の考えをお伝えしましたので、よければご参照下さい。


三つ目には、リスク資産の購入時の価格を十分安くし安全域をとることです。


ベンジャミン・グレアムは安全域の確保にあたって純資産価値を重視し、簡単にはPBR 0.66以下を購入対象とするとしました。ウォーレン・バフェットは寡占ブランドが将来に渡り生む仮想利回りから、安全域を求めています。


企業の本質的価値よりも十分な安値で購入していれば、気をつけるのは群集心理による価格の上下動ではなく、(1)そのブランドの価値の毀損、(2)企業のファンダメンタルズの毀損になります。


私の場合は、アメリカン・エキスプレスのカードの売上高・シェア、ヘインズ・ブランズの靴下・下着の売上高の推移が減っていないか、悪評がたっていないかを経時的にウォッチすることとなります。


下落相場でも、例えばアメリカン・エキスプレスのカード取扱高が変わらず力強く伸びていること、そしてAmazonレビューでヘインズの靴下と下着が相も変わらず高評価であることを見ると、ほっと安心するのです。


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